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私の男 桜庭一樹 自分の存在への不安

私の男 桜庭一樹

こんにちは、桃生ににこです。

最近読んで、思い返すことが多い小説。桜庭一樹さんの「私の男」です。

第138回直木賞受賞作です。

私は腐野花(くさりの・はな)。着慣れない安いスーツを身に纏ってもどこか優雅で惨めで、落ちぶれた貴族のようなこの男の名は淳悟(じゅんご)。私の男、そして私の養父だ。突然、孤児となった十歳の私を、二十五歳の淳悟が引き取り、海のみえる小さな街で私たちは親子となった。物語は、アルバムを逆からめくるように、花の結婚から二人の過去へと遡ってゆく。空虚を抱え、愛に飢えた親子が冒した禁忌、許されない愛と性の日々を、圧倒的な筆力で描く直木賞受賞作。

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二階堂ふみさんと浅野忠信さんで映画化もされています。

R15+指定で性的描写が多い。そして、紹介の文章を読むと何となく想像できるように、近親相姦ものです。なので、映画の感想も本の感想も「気持ち悪い」ってコメントしている人も多く、私自身も「なんかヌメヌメした内容だなぁ…」って思いました。

内容的には男女の恋愛を描いたものではなく、自分自身の生、存在証明に対する執着を描いていると感じました。

私は何のために生まれたんだろう?

何のために生きているんだろう?

恋愛にその答えを求めることは多く、私もそこにどっぷりハマったことがありました。なぜ、恋愛に求めるのか?は血縁関係にそれを求めたけど、満たされることがなかったから。

この本は血縁+恋愛なので、自分の存在証明を求める最たるものが描かれている。

存在の証明は自分の存在への不安が完全になくなった状態でないとされることはない。

というか、存在の意味なんてないのです。

私の存在に意味なんてないよね〜。私だけじゃなく、みんな、大きな意味なんてないよね〜。と、割り切って好き勝手にやった先に「もしかして、これが私?」「これが人とのつながり?」って思えるものができてくる。

存在の不安を捨てる。みんな不安だし、みんな意味ないよね、って割り切る。大事です。その先にめちゃくちゃカラフルな世界が待っている。